俳優・近藤正臣さん(81)が、妻の認知症を抱える老老介護に苦しみ、精神的に追い詰められているとの衝撃的な報道が飛び込んできた。彼はかつて「国盗り物語」や「柔道一直線」での熱演で知られた名優だが、現在は妻を介護する日々に奮闘しているという。
近藤さんは、2017年に岐阜県の里山に移住し、自然と共に穏やかな生活を送ることを夢見ていた。しかし、妻の認知症が悪化し、ワンオペ介護を余儀なくされた。地域の介護サービスは不足しており、彼は一人で全てを抱え込む厳しい状況に直面している。長年連れ添ったパートナーが、自分の名前さえ忘れてしまう現実は、彼にとって計り知れない痛みだ。
昨年、妻を看取った近藤さんは、深い喪失感に苛まれ、食欲を失うほどの精神的打撃を受けた。彼の生活は一変し、かつての華やかな俳優生活は遠い昔の出来事となった。最近放送されたドキュメンタリー「妻なき後の近藤正臣」では、彼が孤独に耐えながら、自然と対話する姿が描かれ、その姿に多くの視聴者が心を打たれた。
「もう俳優はやめた」と語る近藤さんの言葉には、引退の決意が感じられる。かつての名声とは裏腹に、彼の人生は今、孤独と向き合う過酷な現実に直面している。少子高齢化が進む日本社会において、彼の経験は多くの人々にとっての警鐘となるだろう。近藤さんが今後どのように生きていくのか、その動向から目が離せない。