知的でエレガントなファッションが常に注目されてきた雅子さま。その装いからはご自身の思いや、お相手への敬意が伝わってきます。そんな雅子さまのファッションをいくつかのキーワードで繙きます。
美しさや品格に加えて、“らしさ”を感じるファッション
肩パッドの入ったコート、鮮やかなスカーフ。私たちがメディアで最初に目にしたのは、キャリアウーマン然としたスタイルの雅子さまでした。そういう服装では肩が凝らないのかと問いかけた友人に「こういう堅苦しい感じのほうが仕事をやる気にさせてくれることもあるのよ」とお答えになったそう(※)。雅子さまにとって、装いは自分を鼓舞する味方なのかもしれません。
皇太子妃となられてからは、気品溢れるロイヤルファッションに、鮮やかな色使いやマニッシュなディテールなど、雅子さま好みの洗練されたニュアンスを足したスタイルに。愛子さまのご誕生以降はパンツスタイルでのお出掛けも増え、ベージュなどの淡いトーンの装いを見かけるようになるなどの変化が見られます。
近年の雅子さまは、ゆったりとしたパンツスーツなど、シンプルでどこかリラックスした装いが増えています。また、天皇陛下のネクタイとご自身の洋服の色を合わせたりといった、ご家族でのリンクコーディネートも素敵です。
雅子さまのファッションには訪問先や迎えるお客さま、また周囲の人への温かな気遣いを感じます。自身を励ますだけでなく、その場を明るく照らすような雅子さまの装いは、今後ますます注目を集めそうです。
雅子さまを象徴するカラー【1】
知的で高貴なブルー
凜として美しいロイヤルブルーは、雅子さまを象徴する色のひとつ。
「幼いころからブルーの洋服を着ることが多かった。(中略)両親も、強いて女の子らしいデザインの服など着せようとはしなかった」(※)とあるように、幼いころからのお気に入りの色なのかもしれません。
素材の変化に加え、黒いラインでアクセントを加えたり、ジュエリーやインナーで華やかさを足したり、さまざまな場に合わせた雰囲気を演出しています。
※参考文献:『ザ・プリンセス 雅子妃物語』(友納尚子著/文藝春秋)
1995(平成7)年、英国・ダイアナ皇太子妃殿下を迎えて。襟から腰につながる黒の切り替えが特徴的。
1999(平成11)年、ベルギーのフィリップ皇太子殿下(現・国王陛下)の結婚式。ペイズリーの織り地と光沢のある素材の組み合わせ。
2017(平成29)年の新年一般参賀。シンプルなドレスにジュエリーを利かせて。
2016(平成28)年、天皇皇后両陛下(現・上皇上皇后両陛下)を羽田空港でお見送りに。パールの白で軽やかさを出して。
雅子さまを象徴するカラー【2】
希望を託すイエロー
1993(平成5)年のご婚約会見、2019(令和元)年の即位を祝う一般参賀と、スタートとなる場面でイエローを選ばれることが多い雅子さま。ポジティブな印象を与えるイエローは、ご自身も、また周りの人も希望や幸福感で包みます。
1993(平成5)年1月19日、婚約内定記者会見。若々しいレモンイエローのワンピースの首元にパール。同素材の帽子は後ろにリボンが。
2020(令和2)年1月2日、令和初の新年一般参賀で。クリームイエロー地に唐花を表した素材は遠目にも華やか。
雅子さまを象徴するカラー【3】
強さと優しさのホワイト
ホワイトも雅子さまがよく着用されるカラーのひとつですが、まろやかなパールのようなオフホワイトから、くっきりとした白まで、自在に印象を変えていらっしゃいます。シーンに合わせた白の装いは、私たちも参考になるもの。
2024(令和6)年6月、英国オックスフォード大学ご訪問。ショールカラーとふっくらした生地が優しい雰囲気。組紐を思わせるボタンのあしらいや、麦のようなモチーフのブローチをポイントに。小物はベージュで、やわらかなトーン。
1999(平成11)年6月、オーストリア大統領を迎えた際の装い。燕尾服を思わせるジャケットのディテール、ハイネックのインナーがモダン。