女優の山田昌さんが、94歳で名古屋市の老人ホームで急逝したことが、6月16日に発表されました。所属していた劇団の公式サイトを通じて伝えられたこの悲報に、多くのファンや関係者が哀悼の意を表しています。葬儀は19日午後1時から名古屋市内の平安会館で行われる予定で、故人をしのぶ場として舞台写真やゆかりの品の展示も予定されています。

山田さんは1930年に愛知県で生まれ、1949年にNHK名古屋放送劇団に入団しました。その後、85年には自身が代表を務める劇団を結成し、演劇界での地位を確立しました。特に、NHKの連続テレビ小説『おしん』や『純情きらり』などの作品で名古屋弁を駆使し、多くの視聴者に親しまれました。最近では、NHKの大河ドラマ『真田丸』で豊臣秀吉の母を演じるなど、幅広い役で活躍していました。

山田さんの夫、天野静男さんもまた演劇界の著名な人物で、2023年11月に亡くなっています。二人は、共に演劇に情熱を注ぎ、1985年には名古屋で劇団を共同で設立し、若手俳優の育成に尽力しました。彼らの深い絆は、演劇を通じて培われたものといえるでしょう。

二人には娘が一人おり、名前は小さんと呼ばれています。1965年に生まれた小さんは、現在58歳です。家族の情報はあまり公にされていないため、具体的な職業や生活状況は不明ですが、両親の影響を受けた可能性が高いと考えられます。

山田さんは晩年、孤独と戦いながらも、夫との幸福な思い出を胸に秘めていたことでしょう。また、天野さんは戦争の影響を受けながらも、演劇という道を選び、妻との思い出を大切にしていたと語っています。このような背景を持つ二人の人生は、多くの人々に感動を与え続けてきました。

山田昌さんの急逝は、演劇界にとって大きな損失です。彼女の演技は今後見ることができなくなりますが、彼女が育成した数多くの役者たちが活躍し、彼女の遺志を引き継いでいくことでしょう。心よりご冥福をお祈りいたします。