朝日放送（ABCテレビ）の取締役が辞任した背景には、内部調査で発覚した不適切な交際費の使用があることが明らかになりました。この問題は、フジテレビでの騒動を受けて行われた調査の結果として浮上しました。

1月24日、ABCテレビの今村俊明社長は記者会見でこの問題について言及し、放送業界全体への信頼を損なう重大な事案であると懸念を示しました。社内調査の結果、取締役が社内ルールに反して交際費を不適切に使用していたことが判明し、その取締役は1月31日付けで辞任を申し入れました。

調査によると、取締役は実際には社内メンバーのみで行われた会食を、社外の関係者が参加したかのように偽り、交際費を申請していたとされています。取締役はこの件について重大な責任を認識し、過去の支出を弁済する意向を示しました。朝日放送は、メディア企業として高い倫理感を持って業務を遂行すべきであり、社内体制の再点検と不正防止に努めるとコメントしています。

また、元朝日放送のアナウンサーであるヒロド歩美さんは、フリーとしての活動を開始した後、テレビ朝日の看板番組「報道ステーション」に起用されるなどの動きが注目されています。しかし、社内では彼女の起用に対する不満の声も上がっています。特に、若手アナウンサーの育成を担うベテラン層は、フリーのアナウンサーを優遇する現状に懸念を抱いています。

今回の騒動は、メディア業界における倫理や透明性の問題を再び浮き彫りにしました。朝日放送は、信頼回復に向けた取り組みを進める必要があります。