トヨタ自動車は、今月新社長に就任した佐藤浩二氏が、未来のクルマ作りに向けた意欲を示しました。トヨタは電気自動車(EV)の競争が激化する中、14年ぶりの社長交代を迎え、業界の変革に挑む姿勢を強調しています。佐藤社長は、「車を知っていると思わないことが大事」と述べ、特にZ世代の若者たちの期待に応える重要性を訴えました。
自動車業界は現在、100年に一度の大変革期にあり、中国では新車の3台に1台がEVになる見込みです。トヨタも、上海モーターショーでEVを発表し、2026年末までに150万台の販売を目指すとしていますが、現在の販売台数は28位、約2万台にとどまっています。この危機感を持って、新社長は「質の追求」を強調し、地域に根ざした事業展開を目指すと明言しました。
佐藤社長は、運転することに価値を見出す従来の考えから脱却し、車内空間を楽しむ新たな価値観の重要性を訴えています。彼は「未来には、我々が想像できない新しい形の車が生まれるかもしれない」と語り、全方位的な戦略でガソリン車や水素エンジン車の生産にも力を入れる考えを示しています。
トヨタは、単なる自動車メーカーに留まらず、あらゆる移動サービスを提供する企業へと進化することを目指しています。今後の動向に注目が集まります。