経営学者・入山章栄氏が多様性の問題を深く掘り下げたインタビューが話題になっている。彼は、「正直、同質性の高いチームで働きたい」との発言をし、多様性を求める声が高まる中での本音を明かした。この発言は、多様性が必ずしも職場の成功に直結するわけではないという観点を浮き彫りにしている。
入山氏は、同質性の高い小規模なコミュニティが存在することが、むしろ業務のスムーズさと効率をもたらす可能性があると指摘。特にスタートアップや新たなプロジェクトにおいては、同じ価値観を持つ仲間と一緒に動くことが重要であると強調した。これに対し、ビジネス界の多様性推進が単なる流行に過ぎないとの懸念も示された。
「多様性がイノベーションを促進する」という理論は広く受け入れられているが、入山氏はその適用範囲に疑問を投げかけ、特に日本の企業においては同質性を重視した方が良い場合もあると述べた。また、彼は「多様性を受け入れようとするあまり、逆に息苦しさを感じる現場の声も無視できない」と警鐘を鳴らしている。
この発言は、企業や組織が多様性をどう捉え、実践するかの重要な議論を呼び起こすだろう。入山氏の率直な意見は、今後のダイバーシティ推進の在り方に一石を投じるものとなりそうだ。