ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官が、ウクライナのゼレンスキー大統領が元米大統領ドナルド・トランプに対して「殴られなかったのは自制心の奇跡だ」と発言し、波紋を呼んでいる。2月28日の発言は、ウクライナとロシアの緊迫した関係を再び浮き彫りにし、国際社会に衝撃を与えた。
ザハロワ氏は、ゼレンスキーがホワイトハウスで「2022年のウクライナ政権は孤立無縁だった」との発言を最大の嘘と指摘し、トランプ氏が彼を殴らなかったことを称賛した。ロシアの元大統領で現在は安全保障会議副議長を務めるドミトリー・メドベージェフ氏もゼレンスキーを「傲慢」と批判し、今回の発言を支持する立場を取った。
一方、ロシア政府系ファンドのキリル・ドミトリエフ氏は、トランプとゼレンスキーの衝突を「歴史的」と表現し、ロシアの外交が「相手を殴ることも選択肢に入っている」と示唆した。この発言は、ロシアの外交方針がいかに攻撃的であるかを如実に物語っている。
ウクライナ問題を巡る米ロ関係はますます複雑化しており、トランプ政権がウクライナを見捨てる可能性が浮上する中、国際情勢は緊迫の度を増している。ロシアの意向を受けて、今後の展開が注視される中、ウクライナ及び西側諸国は警戒を強める必要がある。