上皇ご夫妻が栃木県の日光を23年ぶりに訪問し、戦時中の疎開先を散策した。上皇さまは美智子さまの手をしっかりと握り、観光客に笑顔で応じながら、歴史的な場所を歩んだ。日光は、上皇ご夫妻にとって特別な思い出が詰まった地であり、特に美智子さまは昭和19年に一時的に疎開していた場所として知られている。
午後、東武日光駅に到着した二人は、戦時中の思い出を振り返りながら、記念公園を訪れた。上皇ご夫妻が植えたイチイの木は、なんと4メートル近くに成長しており、美智子さまはその姿を見て「随分伸びているね」と感慨深そうに語った。周囲には見頃を迎えたナスやクリンソウなどの植物も広がっており、二人はその美しさに見入っていた。
この訪問は、過去10年間にわたり3度計画されながらも、災害などの影響で延期されていたもので、ようやく実現した。日光での滞在は4日間予定されており、歴史的なルーツをたどる旅が再び始まった。上皇ご夫妻の訪問は、戦中の苦難を思い起こさせると同時に、平和への願いを新たにする特別な機会となっている。