フジテレビの元女性アナウンサーに対する性的暴力問題を巡り、第三者委員会が発表した調査報告書が波紋を呼んでいる。この報告書では、中居正弘氏が女性アナウンサーに対して行ったとされる性暴力が認定され、フジテレビの経営陣の責任が厳しく問われた。報告書の内容は、企業風土の問題や経営判断の甘さを浮き彫りにしており、これを受けてスポンサー企業からの広告出稿見合わせの動きが広がっている。
さらに、総務省はフジテレビと親会社に対して厳重な行政指導を行い、経営悪化の責任を明確にするために役員報酬の減額も発表された。フジテレビの関西テレビ社長も辞任を発表し、責任を取る姿勢を見せている。
しかし、この報告書に対しては疑問の声も上がっている。社会学者の古市憲寿氏は、報告書に記載されていない事実があると指摘し、中居氏自身からの説明が必要だと訴えた。古市氏は、報告書がWHOの定義を引用する一方で、フジテレビ内で発生した事案に対する表現が甘いのではないかと疑問を呈した。
また、古市氏は報告書が全ての事実を網羅していない可能性があるとし、特に女性側の反応や意見が記載されていない点を挙げた。中居氏がこの問題について発信することが重要であり、彼の決断が真の解決へのカギになると強調した。
この報告書の影響はフジテレビの経営にとどまらず、広く日本社会におけるコンプライアンスの在り方にも問われる事態となっている。古市氏の発言は、視聴者やメディアに新たな視点を提供し、今後の展開に注目が集まる。