社長が従業員を殴る蹴る…暴行動画がネット拡散 札幌の建設会社側「補償のため示談したい」、支援のバスケチームは契約解除

札幌市内の老舗建設会社「花井組」で従業員の男性に対して行われたとする、殴ったり蹴ったりする動画がネット上で投稿され、波紋が広がっている。

【画像】この水槽の前で暴行が起きたとみられる

同社の代理人をしている弁護士は、社長が手を出したとの見方を示し、従業員は、ケガや精神的ダメージもあるのではないかと取材に明かした。補償するため、従業員との示談を進めたい意向も示した。

■ニシキゴイ水槽への薬剤投入ミスが発端

社長という作業服姿の中年男性が、部屋に入ってイスに座ると、従業員という被害者の別の男性が入って来た。

加害者は、大声を出しており、オレンジ色の上着を着た被害者は、床に両手を突き、嗚咽を漏らす。後ろには、別の従業員とみられる男女が立っていた。被害者が正座して向き合うと、加害者は、いきなり右手で被害者の頬を引っ叩いた。被害者は、床に倒れて、なおも嗚咽を漏らす。それでも、加害者は、被害者の肩の服をつかんで、引っ張り上げ、今度は両手で被害者の髪をつかんだ。

「いい加減にしてよ!」。こう言っているような加害者の大声が響き、女性が止めに入るが、加害者は、手を振りほどく。さらに、被害者を押し倒し、髪をつかんで、「お前のことだ!」と怒鳴った。

被害者の上に馬乗りになると、被害者は泣きわめくが、加害者は、起きた被害者を引っ叩いたり顔を蹴ったりする。暴行は止まらず、腹や顔を蹴った後、「はむかっていいとでも思ってんのか」「なんで、そんなことすんだ、てめえ!」と大声を上げていた。

この𝟐分ほどの動画は、𝟐𝟎𝟐𝟓年𝟓月𝟕日に暴露系インフルエンサーの滝沢ガレソ氏が𝐗で投稿し、拡散した。防犯カメラの映像とみられ、𝟑月𝟐𝟓日の午前𝟗時𝟒𝟖分と表示が出ていた。

映像には、コメントも表示され、飼育中のコイの水槽に殺菌用薬剤を規定と違う量を入れたため、社長がブチ切れたと理由を挙げた。被害者は、実際は薬剤投入と無関係だったが、暴行を加えた後に被害者に口止めしていたとも指摘した。

花井組の公式サイトを見ると、品評会に出品したなどとニシキゴイを飼育している様子の写真が投稿されている。動画には、飼育用に社内に設置したとみられる大きな水槽も映っていた。

「𝟐人は親族なのに、なんでこんな騒ぎになったのか」
暴行の様子が映ったこの動画が𝐗で拡散する騒ぎとなり、花井組がスポンサーになっている𝐁リーグ所属の男子プロバスケットボールクラブ「レバンガ北海道」が𝟓月𝟖日、公式𝐗で声明を出した。

多くの問い合わせを受け、事実確認していると明かし、その後の投稿では、花井組との契約を解除したことを報告した。「映像が花井組でのものであるとの確認が取れました」として、「このような暴力的な行為は、スポーツの健全性や地域社会への信頼に著しく反するものであり、当クラブとしても看過できるものではありません」と非難した。そのうえで、花井組と協議して、契約を解除したとして、「ファン・ブースターの皆さま、関係者の皆さまにご不安やご心配をおかけしました」と謝罪した。

花井組は、𝟏𝟗𝟑𝟗年の創業といい、消防団や防災訓練などの取り組みを通じて、札幌市の「さっぽろまちづくりスマイル企業」に認定されているが、市は𝟖日、この認定について、「重要なお知らせ」を出した。多くの問い合わせがあるとして、「事実確認が取れるまでは当該企業のページの掲載は停止します」と説明し、「当該投稿に関する内容につきましては現在事実確認中であり、事実関係が明らかになり次第、対応を判断してまいります」としている。また、市広報部の公式𝐗は同日、「現在、本市の複数の事業で企業認証を受けております株式会社花井組に関し、𝐒𝐍𝐒上の投稿について多くのお問い合わせが寄せられております。本市としては、今後、事実の確認が取れ次第、各認証制度の規定等に沿って、認証取り消しの手続きを進めてまいります」と明らかにした。

花井組の代理人をしている弁護士は同日、𝐉-𝐂𝐀𝐒𝐓ニュースの取材に対し、拡散された動画のように社長が従業員を暴行したかについて、次のように説明した。

「動画は、まだ見切れていませんが、恐らくそうなのではないかと思います。𝟐人は親族ですので、一緒にご飯を食べに行ったりもしており、なんでこんな騒ぎになったのかと驚いています。防犯カメラの映像だと思いますが、従業員ご本人に聞いたところ、動画は自分が出したものではないとのことです」

暴行した理由については、「ニシキゴイの水槽への薬剤投入が経緯になっているのは事実ですが、それだけではなく、別の理由があります」と説明した。

今後については、次のように話した。

「被害者は、骨折まではいかないまでも、ある程度のケガをしており、精神的なダメージもあると思います。被害者とは現在、示談の話をしています。補償については、ある程度の金額を提示したいと考えています。加害者は、責任を感じており、反省しています。警察の捜査を受けているかについては、守秘義務がありますので、話せません」

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