中居正広が女性に対して行ったとされる性暴力の疑惑が、フジテレビの第三者委員会の調査報告書によって明らかになり、大きな波紋を呼んでいます。この報告書は2025年3月31日に発表され、2023年6月2日に起きた出来事について、中居が女性に対して性行為を強要したと認定しました。

調査によると、第三者委員会は性暴力を「同意のない性的行為や強制力を用いた性的行為」と定義し、被害者との関係性を問わないとしています。調査の過程で、被害者Aは全面的にヒアリングに応じる意向を示したものの、中居側は契約上の守秘義務を理由にこれを拒否。結果として、直接的な事情聴取が行えず、主にフジテレビ関係者や被害者の証言に基づいて結論が導かれました。

報告書では、フジテレビの港社長を含む経営陣の対応が特に批判され、問題がプライベートなものとされる中で必要な救済措置が講じられなかったことが指摘されました。また、調査の過程で、中居が被害者に送ったとされるメールの内容も明らかになり、食事に誘う際のやり取りが「断りづらい空気」を作り出していたことが問題視されています。

さらに、報告書には「タレント有志」と呼ばれる人物の存在が挙げられており、これが中居と共に行動していたとされる複数のタレントを指していると見られています。具体的な名前は出ていないものの、その中には業界で影響力を持つタレントが含まれている可能性があるとされています。

今回の事件は、フジテレビ内でのハラスメント体質や人事支配構造にも問題を提起しており、第三者委員会は「メディアエンターテインメント業界全体の構造的課題」として位置づけています。報告書は、再発防止に向けての具体的な提言も行っており、被害者への真摯な謝罪やコンプライアンス体制の強化、そして多様性の確保が求められています。

この問題は、単なる個別の事件に留まらず、業界全体の倫理観や文化の見直しを促すきっかけとなるでしょう。今後の動向に注目が集まります。